ティーボールが繋いだ「ご縁」~東伏見スポーツフェスタ創造秘話~
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主題:ティーボールが繋いだ「ご縁」~東伏見スポーツフェスタ創設秘話~
2025年9月15日に「早稲田スポーツフェスタ」が東伏見キャンパスで開催された。本イベントは、日頃お世話になっている東伏見キャンパス周辺にお住いの方々や早稲田スポーツファンに感謝の気持ちを表すために、体育各部員が中心となり各種スポーツ体験教室等を運営する。今年も例年通り多くの児童生徒、地域の方々で賑わい、体育各部員との密な交流が実現した。では今回で11回目の実施となる本イベントの起源はどこにあるのか。

(東伏見キャンパス安部球場にて開催されたティーボール教室の様子)
・「早稲田スポーツフェスタin東伏見」の歴史とソフトボール部
イベント当日、かつて「早稲田スポーツフェスタin東伏見」旗揚げの中心となった二人の人物が見られた。早稲田大学名誉教授、NPO法人日本ティーボール協会理事長兼筆頭副会長であり早稲田大学ソフトボール部の総監督の吉村正先生と早稲田大学元職員の山本浩さんである。
2012年の春、山本さんは「早稲田スポーツフェスタin東伏見」の企画を考えている中で吉村先生の研究室に、ある相談をするために赴いた。山本さんは「このフェスタにティーボールは必須種目と考えています。ついてはご協力をお願いします。都合よい日程を教えてください。」と吉村先生の力を貸してほしい旨を伝えた。2003年12月から2008年6月、山本さんは所沢総合事務センターに配属された。その際、所沢キャンパスにおいて吉村先生の指揮のもとソフトボール部が精力的に、老若男女が楽しめるティーボールや一般生徒を対象としたソフトボール大会を運営する様子が目に留まった。このような背景のもと山本さんは吉村先生に相談を持ち掛けたのである。
吉村先生は山本さんの相談を快諾し、二人はイベントを実現にこぎつけた。そして現在に至るまで本イベントは継続的に開催され、早稲田大学ソフトボール部もティーボール教室を担当しイベントの中核を担っている。
・『最初に井戸の水を掘った人の話を忘ないでほしい』
山本さんはイベント当日、ソフトボール部員たちと交流する中で『最初に井戸の水を掘った人の話を忘れないでほしい』という言葉を強調した。「飲水思源」、中国の故事成句の一つであり、本イベントのような継続して行われる事柄には必ず創始者がいて、その思いや苦労を忘れてはならないという意味である。また、山本さんは本イベントの創始者として、人との「ご縁」にとても感謝しており、恵まれたキャリアであったと振り返った。
開催までには、44部の体育各部実行委員、西東京市、競技スポーツセンター所長・副所長・事務や教育委員会、近隣小学校3校の先生、東伏見商店街をはじめとした多くの組織や人々の協力が必要不可欠であり、まさに「ご縁」によって実現した本イベントである。
ある年の、開催前の土曜日には、東京FMが朝のファミリー向け情報番組の中で、「家族で楽しめる週末おすすめ行事」として紹介され、本イベントの規模や認知度は年々上がっていくこととなった。
本イベントを企画した山本さんとティーボールの普及に尽力していた吉村先生が所沢キャンパスで出逢ったこともこの「ご縁」の一つであり、その「ご縁」を生み出したのはまさにティーボールであった。
今年の東伏見スポーツフェスタ全体の実行委員を務める副務の今井珠生(文学部3年)は、「このスポーツフェスタはスポーツの普及だけでなく、他体育各部との関係を深め、学ぶことができる、まさに人と人との「ご縁」を感じる行事でした。このような機会で得た知識や経験を、今後に活かしていきたいと思います。」とコメントしており、本イベントの経験が非常に価値あるものだと感じていた。

(イベント当日、日本郵便キャラクター「ぽすくま」として会場を盛り上げた今井)
吉村先生と山本さんによってスタートした「早稲田スポーツフェスタin東伏見」は、創始者二人の思いや苦労を受け継ぎながら、これからも体育各部と地域の方々をつなぐ架け橋、児童生徒のスポーツ経験の入り口として続いていくことを期待したい。またそのために、ソフトボール部一同「井戸を掘った方々への感謝」を胸に、地域の方々の笑顔を産みだすために精進していきたい。

(写真左:早稲田大学ソフトボール部の総監督の吉村正先生と、写真右:早稲田大学元職員の山本浩さん)