こちらのページでは、オリンピック・ソフトボール(1球ソフトボール)をプレーした学生の感想文を随時紹介していきたいと思います。
男子部4年 SY
今回、吉村先生が提案なされた「一球ソフトボール」について実際にプレーして感じた感想と、それを踏まえた上で導入したら面白そうであると考えたことを書いていきます。
まず感想ですが、「1試合の疲労感ではない」と率直に感じました。普段の公式戦では2試合捕手として出場していますが、それと同様もしくは上回る疲労感でした。1試合かつ、試合時間が53分という短い時間にも関わらずでした。スピーディさにこだわった形式、全員が動き回るよう考えられたゲームの結果だと思います。プレー面においては、特に「集中力」。具体的には投手はストライクゾーンに投げ切ること。打者は1球で仕留める力。この2つが最も大切であると感じました。また、その力量が顕著に現れるゲーム構成であるとも言えると思います。ヒット数は両チーム10本弱で変わりません。通常の試合と同じくらいのヒット数です。正直、1球空振りをした場合アウトになるこのケースにおいて、ヒットは出にくいのではないかと感じていました。おそらく両チームの打者陣は普段の打席以上の集中力で打席に臨んでいたと思います。一方で、両チームの間には15点差がありました。これは、投手の四球の数が要因だと考えます。稲垣は6四球に対し、佐藤は16四球でした。厳しい球で空振りを狙うのも大切ですが、ストライクゾーンで球を動かし、芯から外す投球がこの試合に勝つには必要な能力であると思いました。これは、このゲームだけでなく普段のソフトボールにおいて必須のことであり、特に夏のインカレ等、守備を短くしたい時には省エネのピッチングとして必要になります。このように、一球ソフトボールは普段のソフトボールの良いところを抽出しながら、投打において根底になるものがピンポイントに鍛えられるものだとも感じました。
以下特に感じたことについて何点か記述していきます。
①攻守交代時間及び給水タイム
攻守交代の時間は不要なボール回しを除いた為、ほとんど1分以内に終わっています。かなりスピーディな攻守交代でした。一方で、すぐ試合が始まることにより給水の時間がかなり少ないと感じました。特に暑い季節やプレーする年齢層が低い場合は、給水タイムとして時間を確保する時間があっても良いと感じました。
②満塁開始に関して
1球ソフトボールの特徴として「全員が動く環境」があり、それを踏まえた満塁開始だと思いますが、盗塁等がしにくく、走塁が生きにくい環境だなと感じました。早稲田のように盗塁など脚を武器とするチームが得意な1.3塁の攻撃や1.2塁の攻撃など、イニングによってはスタートする塁を変えてみても面白いのかなと感じました。
③ファールは1球まで
ファールで粘り、結果四球という場面がかなり多く、このファールも回数を制限しても良いのではないかと感じました。厳しい球をカットする他に、甘い球をミスショットしている場面もありました。入っている点数から見てもバッター有利な環境であると感じた為、ファールは1球まで、2球目はアウトにしたらより投打のバランスが図れるのではないかと思います。
④ファーストピッチの離塁
盗塁はファーストピッチ同様、投手の手からリリースされた瞬間で良いと思いました。特に、今回は盗塁がなく、逆に離塁時に捕手から刺される場面が多かった為、その方が良いと感じました。
以上、実際にプレーした感想と変えてみても面白そうなところを記載しました。ゲームの仕組みとしては本当に充実度の高い、ソフトボールの良いとこ取りという印象を強く受けました。今後オリンピックの種目候補になったとしたら、その最初の試合を我々が行っていたものであると考えたら鳥肌モノだと思います。この「1球ソフトボール・ベースボール」が早稲田大学ソフトボール部から広まり全世界を熱狂させるゲームとなればこれほどまでに嬉しいことは無いと思います。そのような日が来ることを楽しみに、普段の練習にも今後とも導入していきたいと思います。
男子ソフトボール部 4年 N Y
先日実際に一球ソフトボールを経験した上で、以下の2つに焦点を当てて意見を述べさせて頂きます。
①率直な感想
一球で場面が次々と変わるスピーディーな展開が、想像以上に面白かった。一球で勝負を決めなければならないという精神的な負担と常に何かしら動いているという肉体的な負担が非常に心地よかった。この感覚はプレーしている側だけでなく、観戦側にも十分に伝わると感じたため、オリンピック競技として盛り上がることが想像できた。また、一球ソフトボールは吉村先生が考案された早稲田メソッドに加わる新たな練習方法として取り入れるべきだと考えている。インカレまでに全員が小技の精度をあげなければならない中で、一球に対する集中力をあげる効果的な練習のひとつになる。先日は初めての試みだったこともあり、誰もバントやスラップにトライしていなかったが、一球で決めなければならない状況が強制的に作られるため、トライしてみるのも面白いと感じた。また、思考と時間の部分においても、投手はゾーンでいかにボールを動かし抑えるか、打者はそのボールをいかに打つかを深く考えることができる上に、7回行っても1時間以内に終わるため、非常に効率が良い。
②今後の一球ソフトボール
先日吉村先生からオリンピック競技として認められるための大切な要素の一つとして、「間」があるということを教えて頂いた。時代の流れを考えても、ラグビーは7人制、バスケットボールは3人制、長い目で見ればバレーボールは6人制がうまれ、着実にスピーディーになり、一球に対する重みが自然と大きくなるように変化している。その中で、一球ソフトボールはまさに一球の重みが格段に増したベースボール型の球技であり、オリンピック競技に適している。さらに、一球ソフトボールを誰でもできるようにしたものがティーボールにあたるため、ティーボールの普及にもつながる。これは今までティーボールに携わってきた全ての人たちにとっても嬉しいことでもある。そのため、今後も所沢のグラウンドからティーボールや一球ソフトボールの発展に少しでも貢献できるように尽力していきたい。
男子部4年 T Y
はじめに
まず、このような貴重な体験をさせて頂き、ありがとうございます。今回の体験で改めて、ティーボールを含め、他の大学や部活では体験することができないことを様々経験することができているのは吉村先生のご尽力があるからだと感じました。誠にありがとうございます。この経験を通して、一人間として成長できるように精進して参りますのでご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
ワンピッチ・ソフトボールを体験して
6/26に行ったワンピッチ・ソフトボールを体感し、今まで行ってきた野球とソフトボールとはまったく違う競技だと感じた。これから体験し、良かった点や改善点を述べたいと思う。
- ひたすら動いていて、止まっている選手がいなかったのが良かった点である。そして、従来のソフトボールと比べて、疲労度が高かった。疲労度が高い点に関して、オリンピックでプロ選手が行うと考えたら、連戦で行うのはどうなのか疑問に感じた。現在の野球やソフトボールのルールだと連戦が可能である。しかし、サッカーといった疲労度が高い種目は連戦が難しい。そのため、バスケットボールぐらいの程よい疲労感のルール作りを行えば、過密日程が可能でオリンピックに近づくと感じた。
具体的には、ハーフタイムを5分またはタイムアウトを導入するのが良いのではと感じた。 - 非常にテンポが良く、集中力が高いままプレーすることができる。そして、打席が多く回るのが良かった点である。この点に関して、テンポが良すぎるゆえに体力の消耗するスピードが早かった。これを改善するためには、守備専門の選手が1人・走塁専門の選手が1人・打撃専門の選手が1人、設けることで負担が少し減るのではないかと考えた。
この2点以外に回数を重ねると生じる問題を考えた。
- 粘る選手が多く出てくるのではないかと感じた。粘って球数を多く投げてしまうとスピード感が落ちてしまう。この問題を解決するためには、ファールは5球までもしくは、ファールゾーンに9人以外が1人を守ることができるが、ファールゾーンでしかプレーすることができないルールがあると良いと考えた。
- 得点が入り続けると守備の体力がどんどん減り、攻撃の体力が回復すると負の連鎖が生じてしまうと感じた。これを改善するためには、1イニング15分までと制限を決めた方がいいのではと考えた。そして、時間短縮のため1時間を超えてしまった場合は、このルールではタイブレークは実施できないので、促進ルールとしてアウトカウントを減らしたりするのが適しているのではないかと感じた。
- 2アウトで塁が埋まっている時は毎回、盗塁スタートを切ることで体力の消費が激しく、満塁の際はホームに向かって走り(捨て身の攻撃を行う可能性が出てきてしまう)、怪我のリスクが大きくなるのではないかと感じた。この点を考えたら、離塁についてはスローピッチのルールが最適なのではないかと感じた。
名前について
名前についてホームページに様々な候補が挙がっていましたが、私は「ファストベースボール」「ファストソフトボール」が一番いいと思いました。その理由は、シンプルかつ名前でどのような種目なのかが一番伝わるのが「ファスト」と感じました。
最後に
このワンピッチ・ソフトボールをよりオリンピックに近づくためには競技人口が多いクリケットの選手を巻き込むことが近道なのではないかと感じました。
そして、ワンピッチ・ソフトボールを数多く重ねることで問題点やルールの盲点が生じるため、多く体験する必要があると感じました。そして、疲労の面でデータを取ることでオリンピックにも繋がるのではないかと思いました。
早稲田大学男子ソフトボール部4年 S K
今回一球ソフトボールをやってみて感じたことは、とてもスピーディーで面白かった。今までにはない感覚というものがあった。普段の試合、実践形式での練習よりも一球に対する集中力が増したと感じた。ストライクゾーンに来たボールを一球で仕留める、その中で厳しいコースに来たらカットして粘ったり、しっかりとボール球は見逃したりと一球しか打席の中で来ないからこそ、考えることが普段の実践よりも少なくなり、集中力が増したと感じた。役割や、やらなくてはいけないことが明確になっており、頭の中がクリアな状態で打席に入ることができ、結果的に集中してプレーすることができた。普段の実践では一球ごとに状況やカウント、球種などさまざまな要素が変わっていくことによって生まれる「間」の中で考えて、プレーをしている。この「間」というものが他のスポーツにはなくて、野球・ソフトボールの楽しい部分でもあり、難しい部分であるということが今回の一球ソフトボールをプレーして感じた。
しかし、この「間」というものが楽しくて、見ていてやっていて面白いと思って野球・ソフトボールをプレーしていたが、近年、メジャーリーグ機構が試合時間の長さが野球の人気の低下に影響を与えているということを研究結果として発表した。その結果、ワンポイントリリーフの禁止や延長13回以降はランナー2塁から始めるなどといった、試合に勝つための戦術やプレーしている選手の選手生命をも危ぶむような時間短縮案というのが出来上がってきている。近年、野球がホームランか三振かという見ていて面白くないと捉えられてしまうような時代に変わってきていることも野球人口減少に関わってきていると思うが、まずは野球は楽しい、素晴らしいスポーツであるということを理解してもらうために、一球ベースボール、ソフトボールまたは、ティーボールというものを行っていくことで野球・ソフトボール人口というのは増えると考える。
男子部3年 AT
1球ソフトボールをやってみて、良かった点と改善点がいくつかありました。まずは、良かった点について挙げていきます。
1つ目は「全員が1球に集中できた」という点です。この点に関しては「1球」という名の通り、打者も守備者も一プレーに対して1球のみの勝負となるため、必然的に集中力が高まっていました。
2つ目は「プレー以外の時間短縮」という点です。イニング間の投球練習が1球のみであることやボール回しを無くすこと、移動を全力疾走で行うことでよりスピーディーな試合展開にもつながったと思います。また、イニング間の時間がとても短いため準備をする時間が少なく、常に動いている状態でした。このことで、長距離走では得られない本当の意味での1試合を戦い抜く体力が求められました。これを続けていけば自分らは体力がつき、相手の準備時間を減らせるという意味でも良い点だと思いました。
3つ目は「状況やケースに応じた戦術を瞬時に考えなければならない」という点です。普段の実践であれば1打席に何球かチャンスがあるので、1球ずつ相手のポジショニングなどに合わせた攻撃ができますが、1球ソフトボールの場合打席に入る前に相手の状況やケースをすべて把握し、その上で自分のやるべきことを確立させていなければただ単に相手に合わせた攻撃しかできません。このことは守備でも同様のことが言え、次の1球でどのようなプレーが考えられるかであったり、またポジショニングなどの連携も含めて「短い言葉」で相手に伝えるための言葉選びだったりと全てにおいて思考を速めていく必要がありました。1球ソフトボールでこのことを繰り返していけば普段の試合では余裕を持ってプレーすることができますし、ピンチや自分たちが苦しい場面で瞬時に戦術を考えられると思います。
次に改善点を挙げていきます。
1つ目は「水分補給をする時間が無かった」という点です。先生が仰っていた通り、涼しい時期はできると思いますが、暑い時期になってくると熱中症になりかねないと感じました。オリンピックは7月・8月と猛暑との戦にもなります。7イニングぶっ通しではなく、3イニングあたりで他の競技のハーフタイムにあたる休憩を取り、再開するという方法が良いのではないでしょうか。
2つ目は「走塁が目立たない」という点です。これは主に盗塁をする場面が少ないということの影響ですが、満塁からイニングが始まることやカウント3-2ということでなかなか盗塁ができず、走塁で相手をかき乱すということが置きにくいのではないかと感じました。このことを考慮するのなら始まりのランナー配置を毎イニング変えてみるのが有効ではないかと思いました。もちろん、1球ソフトボールの醍醐味がこのことでなくなってしまってはいけないので、他のオリンピック種目同様に普通のソフトボールとは違って「投手と打者との対決で試合を楽しむ」という点においては現在のルールが一番当てはまるものであると思います。
男子部3年 O H
1球ソフトボールを体験した感想と拙いものであるが提案をして発展に貢献できるようなレポートにしたいと思います。
まず、先日行われた一球ソフトボールは非常に楽しいものでした。展開が早く、考える時間が短い点が少し惜しいところではありますが、スピーディーでワクワクするものでした。結果として、31-18というベースボール型スポーツではなり得ないスコアになりました。昨今の流行として、展開の速さ、得点の多さが重視されているように感じます。サッカーのような1点ゲームではなく、アメフト、バスケのようなアメリカスポーツが好まれていると考えています。そういう意味で、速さと量が実現できたのはよかったと感じました。また、一人一人が活躍できる点も素晴らしく思います。満塁からスタートすることで誰しもがタイムリーヒットを打つことが出来ます。こうして目に見えて躍動している方がプレイヤー、観客共に楽しめるだろうと考えました。一方で守備側においても、もう少し活躍できる環境があれば良いなと感じたのも正直なところです。
次に、プレーした経験と他のスポーツを参考に少し考えた結果、変更する点としてアイデアを上げていこうと思います。まず、ゲームのスタートが満塁であるのなぜでしょうか。すぐに点が入り、一方でいわゆる「満塁から点が入りにくい」状況から守備にとっても十分に勝負が出来るからということは思い浮かんびました。しかし、攻撃守備双方にとって様々な作戦が実行するには、一二塁からなどの方が柔軟性はあるようにも感じました。とはいえ、どの状態からのスタートも長所短所があるので、今後も検討の余地があると考えます。次に、これも疑問ですが、バントでファールになった場合はアウトでしょうか。イメージとしては、スイングした場合、ファールはもう一度リスタートだが、バントの場合はスリーバントのようにアウトになると考えました。ソフトボールの良さは小技、強打入り混じったテンポのいい攻撃に一端があると考えているので、もしソフトボールらしさ発揮するならば、バントファールもリスタートにした方が、打者にとってバントにトライするメリットがあるので良いのではないかと考えました。
以上、1回だけではあるが、一球ソフトボールを体験し、考えたことで得た感想です。
男子部3年 O G
一球ソフトボールについて、私がプレーをしていて感じた点は2点ある。
1点目は、吉村先生がおっしゃるように、全員が体を動かしており、状況も目まぐるしく変わるため非常に運動しているという気分になる。2ストライク3ボール、ランナー満塁から始まるため、1回ごとにプレーに関わらない選手がいない。打順がなかなか回ってこない下位打線はランナーとして、中位打線の選手はランコーや声かけとしてそれぞれに関わってくるため、常に参加している状態になる。ここからも、学校教育として「ティーボール」や「一球ソフトボール・一球ベースボール」が適していることがよくわかる。体を動かしていない時間がほとんどないので、必死になる、夢中にならざるを得ない。そのため、体育の授業が終わった後の子供達は体を動かした後の爽快感にご満悦であろう。サッカーやバスケットボールが学校で人気なのもこれが理由なのかもしれない。しかし、常に体を動かしているということは休憩している時間がないため、体力的には辛い部分がある。夏場に実施するときは水分補給や7回ではなく5回ほどにするなど、暑さに気をつけながらプレーする必要があるだろう。
2点目は練習としても様々な面で非常に有効な練習であると感じた。バッター目線からこの練習の意味を考えてみると、一球に対する集中力というものが挙げられるだろう。ストライクならば打たなければならず、ボールならば見逃して1点に繋がる。ボールの見極めというのが非常に重要になってくる練習であるため、見極めるための目を養うためには非常に良いと感じた。また、ピッチャーとしてはボールを投げてしまうとフォアボールで1点、ストライクでも甘いコースに投げてしまうと簡単に打たれてしまう。そのためストライクゾーンで動かすということが必要になってくると思われる。この練習では動く球が要求されるためピッチャーにとって良い練習になるだろう。また、ピッチャーが動くボールを投げられるようになれば、バッターは質の高いボールを打つことになり、バッターにとってもさらに良い練習になるだろう。守備目線からだと、バッターがスイングする確率が高いため、常に準備しておく必要がある。また、ランナーも常にいるため次のプレーを考えておかなければならない。この練習では様々な場面が作られるためそれに対応することによって、実際の試合でも容易に対応することができる。今の早稲田の課題である対応力というものがこの練習では養うことができるだろう。さらに、ランナーも確実に点を取るために良い走塁というものが求められる。バッターが内野ゴロを打てば3塁ランナーが、外野へのヒットと打てば2塁ランナーは絶対に帰ってこなければならない。質の高い走塁を求めている早稲田にとってはこの練習は非常に適していると思われる。これらのように、「一球ソフトボール」から得られるものは多くある。
上記の内容以外にもためになることは存在するだろう。人によって意識していることが違うため様々な学びがあると思われるが、そこも良い点だろう。人によって感じ方が違うということは、全ての人にとって学びのあるものだと考えられる。「一球ベースボール・一球ソフトボール」の普及ももちろんだが、練習にも積極的に取り入れていくべきだと思われる。
男子部3年 K R
先日、初めて1球ソフトボールを体験し、通常のソフトボールとはまったく異なっていることを強く実感した。そこで、私自身感じたこと、課題になったところを述べて行きたいと思う。
まず、通常のソフトボールとの大きな違いが、プレーの速さである。1球で打者交代、さらには早ければ3球で攻守交代になることから、今までに体感したことのない野球系の競技であった。特に私は外野手なので、攻守交代の際に全速力でベンチに戻らなければ、次の打席、攻撃に間に合わない。それを10回以上行うことから、通常の試合よりも体力の消耗が激しい。逆に体力が消耗されてから打席に立つことが多いので、その際に打つことが求められ、非常にレベルの高い試合になる。私はその際には結果を出すことが出来なかったので、それが今後の課題にもなった。課題としては、強い打球をいかに野手のいないところに飛ばすかということで、野手のいないところに狙い打ちする技術を今後上げていく必要がある。
次に難しかったのが、打者が1球のみしか各打席与えられないことである。私自身通常の打席であれば初球は狙い球のみしか手を出さないので、1球のみの場面だと、際どい球にも手を出す必要がある。しかし、これは2ストライクに追い込まれたときと同様の練習になり、追い込まれた後にどう対処していくかという面では、良い練習になる。初見の投手で追い込まれた中でも繋ぐバッティングをすることが出来れば、「繋ぐソフトボール」の技術がチーム全体で上がる。
少し話がずれるが、先生がおっしゃっていた1球ソフトボールをいずれはオリンピック競技に入れるという話が、実際に試合をやってみて確かに他の競技に対抗できる要素を持っていることを実感した。それは、全員が常に動いているということである。オリンピックの大体の競技は、各選手が常にその競技において動き、競い合っている状態にあり、野球系のスポーツはそれがなかなか出来ないことが課題ではあった。しかし、1球ソフトボールは常に全員が動いており、なおかつ試合のスピードも圧倒的に早いので、今後さらにこの競技が発展すれば、1球ソフトボールの良さ、長所を伝えていくことが出来ると考える。
男子部3年 SK
今回、一球ソフトボールを体験した率直な感想としては、非常に楽しかったです。普段のソフトボールと違い試合の展開が早く、次から次へとプレーが進んでいく感覚が新鮮で、非常に面白かったです。ストライクを投げてもボールを投げても一球でプレーが進んでいくので緊張感がありましたし、自ずと全員が一球に対して集中する環境が出来上がっているなと思いました。一球に対して集中していないと気づかないうちにプレーが進んでいってしまうので、プレーに対する集中力はかなり鍛えられると思いました。
投手はボール球が投げにくい状況で、どうしてもストライクゾーンの中で勝負をしなければいけません。その上で打者を抑えるためにはボールを動かす工夫をする必要があります。その工夫をすることでピッチングにさらなる磨きがかかり、投手の技術向上につながっていきます。対して打者は、ゾーンの中で動くボールを打たなければならないので、どうにかミートしようと努力する必要があります。投手が動かすボールを打つことで打力が上がり、良いバッターを抑えようとすることで投手の力も上がり、チーム内での相乗効果が生まれていくと思いました。
一球ソフトボールは展開が早いことから、考える時間や間がない競技だと思っていましたが、展開が早いからこそ、自分で作る必要があると感じました。例えば、打席に入る前や投球間のちょっとした時間、捕手が座ってサインを出すまでの時間などに、次はどんなプレーが起きるか、次のプレーで自分は何をするべきなのかを考えながらゲームに取り組む必要があります。普段より短い時間内で普段と同等以上の考えたプレーをしなければいけないので、集中力と同様に思考力も鍛えられると思いました。
今回、実際にプレーをした上で自分から提案させて頂きたいのが、ソフトボールのコンテンポラリーランナーのように、捕手が出塁をした際は代わりのランナーを置くというものです。通常のソフトボールでは2死からですが、一球ソフトボールではアウトカウント関係なしに交代することで準備の時間を作ることができ、円滑に試合が進むと思います。また、毎回0死満塁から始まるという競技特性から、1チーム13人以上の場合のみ、スターティングランナーという形で最初の満塁のランナーを固定してしまってもいいのではと思いました。これにより、ランナーに誰がつくのか等の確認が不要になりますし、スタメンで出られない選手が役割を得ることができます。さらには、スペシャルランナーという形で、毎回、どのタイミングでも代走として出場できる選手がいると面白いと思いました。攻守が苦手でも足が速ければこの選手になれますし、毎回代わる権利があるのでプレーヤーとして重要なポジションで輝くこともできます。選手同士で得意不得意を補うことも可能になるのではと思いました。
男子部3年 SR
今回1球ソフトボール(以下1球ソフト)をプレーして、将来1球ソフトが流行る、そんな予感がした。
プレーをした率直な感想としては、野球、ソフトボールに比べて非常に忙しい。野球型の競技は打順が回ってくるまでに8人分待ち時間が存在し、守備でもボールが飛んで来なければ十分な運動には程遠い。
しかし、一球ソフトは、そんなことはなく、常にコーチャーやランナーなどの役割があるし、守備もランナーが常にいることで頭を使うし、何より常に忙しない状況下にある。教育的観点で見ると、十分な運動が出来ず、体育の種目としてはあまり相応しくないと避けられがちな野球型であるが、これだと、十分な運動をすることができると感じた。
個人的な感想だと、常に3-2から始まるからこそ一球に集中できると感じた。選球眼を養う練習にはもってこいの練習である。自分は3-2からの出塁率が良くないという悩みがある。四球を取りにいくことばかりがチラつき、そろそろボールが来るのではと思い、甘いボールに手が出ないという悪循環に陥る。だからこそ、1球ソフトを練習に取り入れることで、選球眼を養い、その1球に集中することができる。また、守備も常に気を配る必要があるので、常に頭を使った練習をすることができる。
教育的観点から見ても、練習の一環として取り入れても、競技としてプレーしても非常におもしろい。今後のオリンピック競技の一つにするのも、実現可能な気がしてならない。
以下プレーを通して、良いと感じた点、改善すると更に良くなると感じた点を記述する。
<良い点>
・5.6点を取られた時に、野球型だと1イニングでひっくり返すのは容易ではないが、ノーアウト満塁から始まる為、多少点差がついたとしても諦めムードにならない。
・打者の攻め方はただ打つだけでなく、四球を狙いにいくカットをしても、バントを敢えてしてみても面白いと感じた。逆に、投手は大量失点覚悟の上の投球になるので、わざとボールを投げる打者がいても良いと感じた。
・投手への負担がどうしても大きくなりがちな野球型であるが、絶対的に投球数が減り、バントのダッシュもない分、肩や肘を壊すというスポーツ障害のリスクは減ると感じた。逆に野手、特に捕手は普段以上に忙しくなると感じた。
<改善しても良いと感じた点>
・攻守交代を1分以内にということで、攻撃が終わればすぐ守備につきイニング始まり、守備が終われば、すぐにランナーやコーチャーの準備に取り掛からなくてはならない。勿論スピーディーな試合は良いことだらけだが、前述の通り、投手負担の軽減だが、野手負担の増加の為、4回終了後には3分程度の休憩を取っても良いと感じた。
・ノーアウト満塁から常に始まるが、1~3回は無死満塁
4.5回は無死2.3塁、6.7回は無死1.2塁にしてみる。
あるいは無死満塁が3回分、無死2.3塁が2回分、無死1.2塁分を両チームに与え、規定回数内ならば、いつ使っても良いなどとしたりして、ケースを多様化させても面白いと感じた。
男子部2年 A K
今回「一球ソフトボール」をやった感想として、まずとても集中力を要すると思った。一球で決まるということもあり、一球に対しての集中力がいつも以上にあったように思った。バッテリーは一球でどう抑えるか、バッターは一球でどう仕留めるかということを考えて、常にプレーするためだと思う。これはいつものソフトボールでも常に考えておかなければいけないことだと思うし、いつもの練習で取り入れることで、その力を養うこともできると思う。一球への集中力が増すことで勝負どころの攻防でも有利に立つことができるから、そういったところを踏まえても、いつもの練習でも取り組んでいくべきだと思う。
またいつもよりもかなりスピード感があると思った。一球で状況が変わるため、守備位置や配球なども変わってくるし、ランナーの動きも変わってくる。それぞれの動きを瞬時に判断しなければならないため、体も頭も動かすスピードがいつもよりも速かったと思う。それが理由なのか、時間的にはいつもの試合よりも短いはずなのに、体力消耗は激しかった。それは吉村先生が常々おっしゃっていた「常に動いていること」ができていたからだと思う。オリンピック競技にしていく上で、これは非常に重要だと思うし、身を持って感じることができたのはとても良かったと思う。
オリンピック競技になる可能性のあることを実験的とはいえ、経験することができてとても良かった。こういったことに携わることができたことはとても光栄なことである。早稲田大学ソフトボール部だからこその経験だと思うから、この経験を生かしていきたいと思う。
ベースボール型スポーツの発展に少しでも力になることができるように、これからもしっかりと活動していきたいと思う。ティーボールを始め、様々なことに関わることができていて、今しかできないことがあるから、それに全力で取り組んでいきたいと思う。そして東京オリンピックだけでなく、これからのオリンピックにベースボール型スポーツが採用されてほしい。
男子部2年 IK
私は今回一球ソフトボールをやってみて、新たな発見とこれから工夫できそうな点と大きく分けて3つの気付きがあった。
まず1つ目の発見として、一球に対して全員で臨む姿勢が増しているように感じられた。普段のイニングや投手打ちなどの実戦では、多くの球が来るため全球に対して高い集中力で臨もうとはするが、どうしてもすべての球に最高の集中力で臨むのは難しい。それに加え、長時間となってくるとなおさら難しいことが考えられる。その点、一球ソフトボールでは男子部の場合、1時間から1時間半で終わるため、普段の実戦練習の中でもかなり短い時間でメニューを消化することができる。また、イニング等ではファールや見逃しなど、プレーが起きない場面が多くある。そうした場合、プレーに関与しない選手が出てくることになる。この点も全球に最高の集中で臨めない要因になりかねない。その点、一球ソフトボールでは投手が投じた一球に対して高い確率でプレーが起きやすくかつ、全員で臨む態勢がつくりやすい。このように、一球に対して全員が動く一球ソフトボールにおいてはワンプレーに対して全員で臨むことができる点で素晴らしいといえる。
次に、正式に五輪競技への導入をめざす上で、炎天下でのプレーが余儀なくされる場面が考えられる。その点、1時間半程度で終わる一球ソフトボールでは短時間で試合を回すことができるので、夏場の炎天でも問題なく運営することができる。また、ほぼ野球やソフトボールのルールに準じているため、新競技とはいえ観客にもわかりやすく、親しみやすい競技となっているであろうと考えられる。一方で、現在の競技では問題としても挙げられている通り、炎天下でのプレーなど運営面で課題が残る現実がある。そうした意味でも一球ソフトボールの導入でそうした課題クリアの一助になれると考える。
実際に一球ソフトボールをプレーしてみて、工夫できそうなところも見つかった。例えば、イニング間のインターバルである。主に捕手を中心に攻守交替のイニング間が短すぎて、かなり時間に追われてプレーしている印象を受けた。自分のテンポでプレーすることがより高い質の練習につながるため、その点、今回のインターバルは少し短く感じた。とはいえ、長すぎるのも本末転倒であるため、1分や2分など短い時間で設定しその中で、選手が各々間を取ったり、あえてゆっくりプレーしたりと工夫することで自分のプレーが出せると感じた。
最後に、この一球ソフトボールは非常に五輪種目になるだけの価値があると感じた。これから先、実用化していく上での様々な課題をクリアしていくことでより五輪種目へブラッシュアップした形に洗練化することができると考える。また、練習としても一球への集中力を高められる有意義な練習として今後取り組んでいきたいと考える。
男子部2年 KH
今回のレポートでは先日行った1球ソフトボールについて感じたこととこれからに向けた課題や改善点を述べる。また私は前の週に行われた女子部の1球ソフトボールの記録をとらせてもらったため、男子部と女子部の比較を交えながら述べる。まず初めに感じたことは普段行うソフトボールの試合よりも「きつい」ということであった。攻守の切り替えの時間が短くほとんど息がつけず、打席が遠い打順でもランナーになるので常に動き回らなければいけない。通常のソフトボールではプレーをしていない多くの時間があるが、1球ソフトボールは全員が常に動き回るため試合が終わった後はサッカーやバスケットボールのような疲労感があった。このルールであればオリンピックの競技として求められている常に全員が動いていることにより近い形になっていると感じた。
次に1球ソフトボールの今後に向けた課題や改善点について述べる。1つ目は審判のコールについてである。後攻の最終回、審判のコールが遅く押し出しだと思った3塁ランナーが飛び出しアウトになってしまうというプレーがあった。このプレーは審判がこの試合においてボールの判定の時何もジェスチャーがなく発声だけでコールしていたこと、そしてこのプレーにおいて審判がストライクかボールか一瞬迷ったことが原因である。解決方法としては審判のボール判定のジェスチャーを決めることであると思う。女子の試合ではボールの時には左腕を斜め下に伸ばしていた。それに倣って審判はストライク時には右腕、ボール時は左腕しか動かしてはいけないということをルールに定める必要があると感じた。こうすることでどちらも動かしていなければ判定に迷っているということを示すことが出来る。
2つ目はインターバルの導入についてである。今回のように7イニングを休みなくプレーしていると相手との点差がわからなくなってくる。そこで私はインターバルとして現状の把握や飲水、休憩の時間をとり9イニングを3イニングずつ序盤、中盤、終盤に分ける3部制を提案したい。その理由としては現状の把握をすることや給水の時間が必要であることである。前後半ではなく3部制を挙げた理由は野球と同じ9イニングにすることで少しでも野球やソフトボールの要素を残すためである。私は考えてプレーすることがベースボール型の醍醐味である考えている。そのため少しの時間だけでも冷静に考える時間を作るべきであると感じた。
最後に私は1球ソフトボールにはまだまだ高められる部分が残っていると感じている。多くの人が1球ソフトボールをプレーし様々な意見を出し合い、将来のオリンピック競技にできるように完成度を高めていけたらよいと思う。
男子部2年 S K
今回の一球ソフトボールを体験して、これは実際のソフトボールにおいてもとても役に立つものであると思いました。まずは投手の面では常にランナー満塁の状況である上にボールを投げるとバッターを出塁させてしまうため、ストライクゾーンの中でいかに勝負するのかを鍛えることができると思います、また、実際のソフトボールの試合においては一点も与えられないような緊迫した場面でいかにバッターを抑えるのかという技術を練習できると思います。バッターの面ではボールをしっかり見送ることができれば出塁できる一方で、ストライクの場合は一球で仕留めなくてはならないので実際のソフトボールではエンドランといった一球で決める必要がある場面の練習になるのではないかと思いました。オリンピック競技に組み込む際に試合運営の面でさらにオリンピック委員会側のニーズに合わせるとしたら捕手が塁にでた際には実際のソフトボールの試合でも使われているテンポラリーランナーの制度を組みこむと良いと思いました、というのも実際に一球ソフトボールの試合をプレーして、試合時間をなるべく短くするために攻守交代を早く行っていたのですが、捕手が残塁しているときは捕手の装備をつけるのに時間がかかってしまって攻守交替の時間が伸びてしまっているように感じました、また、今のままだと捕手の負担がかなり大きいと思いました。個人の意見として通常の試合に出場する選手とは別枠でランナー専門の枠をつけると一球ソフトボールの独自性を付随させることができるとかんじました。さらにそのランナー枠を使える回数を一イニングで1,2回などに制限することで戦術的に深さが増し、観客にもそこが試合のポイントであると印象づけることができるので良いのではないでしょうか。最後に、この一球ソフトボールがオリンピック競技に採用されたら間違いなく野球、ソフトボールの競技人口拡大の一助になると信じています。
男子部2年 S K
一球ソフトボールは、一球で必ず試合が動くので通常のソフトボールとは違い、間延びをすることなく試合が展開されていきました。通常のソフトボールであると投手は、配球などをうまく活用をしながらバッターを抑えにいくので、守備者が何もしない時間帯が存在してしまいます。しかし、一球ソフトボールでは、投手が一球投球することで必ず守備者、打者、走者が動きます。なので、常に試合が動いているので間延びをすることなく試合全体が進んでいました。常に一球で試合が動くということは、守備者は必ず一球一球に集中しなければなりません。さらには満塁の場面であれば大量失点をしないように集中力をとても高く保っていなければならず、外野については、あまりボールが飛んでこないことがあったとしても内野のカバーを必ずしなければならないので、常に動き回らなければならない状況になります。次に打者に関しては、ストライクボールを必ず振らなければならず、投手はストライクを投げなければ出塁させることになってしまうので、高い確率でストライクが入ってきます。つまり、ストライクが多くなるということは、打者の打てる確率はとても高くなります。またボールを一球見逃すことでも出塁することが可能であるので、打者は選球眼も磨くことができます。走者に関しては、点数が大きく動く一球ソフトボールにおいてとても重要な役割を担っており、走者は常に打者が打った打球に集中しなければなりません。一球ソフトボールは、点数が大きく動くので、走者の一つのミスで相手との点数が大きく開いてしまいます。なので、走者は一球で全てが動く試合の中で、常にホームに帰ることを考えなければならず、走力の向上に繋がると思いました。最後に、投手に関してですが、投手は通常のソフトボールでの配球を使うことができず、常に自分の投げる一球でストライクを必ず打ちにくる打者をどう抑えれば良いのかを考える必要がありました。この一球で抑えるという考えは通常のソフトボールではあまり持っておらず、配球の中でどう抑えるのかを考えていたので通常とはまた違った視点で、投球について見ることができました。また、自分の挑戦したいボールを投げる際には、塁が空いている状態であれば押し出しすることがないので、こういった視点も試合が終わった後に気がつくことができたので、通常のソフトボールでも余裕を持った考えをすることができるようにしなければならないなと学習することができました。
以上が一球ソフトボールを行なっての感想ですが、まとめると一球ソフトボールは、フィールドにいる全員の選手が、毎球投手から投じられる一球に対して全力で集中することができ、通常のソフトボールを行なっている中では気付くことのできないことにも気がつくことができるので、今後の練習にも取り入れ守備者、打者、走者、投手の成長に繋げることができると思いました。また、一球ソフトボールは本当に間延びをせず、一球で試合やフィールドの選手全員が動くので、オリンピック種目になるためフィールドの全員が常に動いていなければならないという条件は一つクリアできるのではないかと思いました。今後、この一球ソフトボールが日本全国さらには世界に広がり野球やソフトボールの人口が増え、オリンピックの種目になることができれば良いなと思いました。
男子部2年 Y Y
今回、1球ソフトボールをやってみて、思ったことが3点ほどある。
第一に、1球ソフトボールは競技としても練習メニューとしてもとても価値のあるものだと思った。野球やソフトボールの他の球技との大きな違いはイニング間の攻守交代の時間という試合結果に一切関わらない時間があることだ。特に、プロや社会人などレベルが高くなるほどその時間は長くなる。この時間が観客にとっては退屈で無駄な時間に感じられる。攻撃と守備が明確に分かれているというベースボール型球技の魅力が裏目に出てしまっているのだ。一方、1球ソフトボールではイニング間の投球練習が各回1球であり、攻守交代がスピーディーになる。今回は投球練習中に野手がキャッチボールを行っていたが、攻守交代をさらにスピーディーにするために投球練習間の野手のキャッチボールも禁止にしてもいいと思う。また、普通の野球・ソフトボールではボールや見逃しストライクなどがあり、観客は間延びしているような印象を受ける。一方で、1球ソフトボールでは1球ごとに結果が出て、多くの選手が動くため、観客は見ていて楽しくなるだろう。
さらに、部活動などの練習メニューとしてもとても充実したものになる。ピッチャーはいかにゾーン内でボールを動かすか、バッターはその中でストライク、ボールを見極め1球で仕留めるかというように、攻守共に1球に対する集中力を磨く良い練習になる。また、投手はあまり多くの球数を投じずに多くの打者と対戦することができる。このようなことからも、1球ソフトボールは学生野球の父と言われている飛田穂州さんの唱えた「一球入魂」の考えを反映しており、とてもベースボール型球技の本質を捉えていると思う。
次に、離塁やワイルドピッチなどの細かいルールについてだ。男子が試合している時に、木村さんから吉村先生に盗塁についての質問があったり、女子の試合ではキャッチャーが後ろに逸らしているにもかかわらずランナーが進塁せずに試合を続行していたりした。離塁や捕逸などによる進塁は、試合をファストピッチで行うならば、通常の競技と同様のルールで進めるべきだと思う。スローピッチのようにボールとバットが当たってから離塁するというルールにすると、野球、ソフトボールの醍醐味のひとつであるランナー2塁でのヒットやランナー3塁での内野ゴロによる本塁生還時のクロスプレーがなくなってしまう。また、チェンジアップやワンバウンドでの進塁といったアグレッシブな走塁やそれに伴う攻守の駆け引きも見られなくなってしまい、野球、ソフトボールの面白さが半減してしまうだろう。
最後に、1球ソフトボールは学校体育の教材としても優れていると思う。今回の1球ソフトボールでは男女共に7イニング試合をしてどちらも試合時間は1時間未満であった。学校教育の授業の1時間という限られた時間でもすべての生徒が、多くのプレーする機会を持つことができる。
これらのことから、1球ソフトボールはプロから学校教育まであらゆるレベルで価値のあるものであるということができる。
男子部2年 NY
本レポートでは、一球ソフトボールをプレーして感じたことを踏まえて一球ベースボール・ソフトボールの特徴を整理し、そのうえでオリンピック競技候補としてのこの競技の長所について述べる。
プレーして感じた一球ソフトボールの特徴は、大きく二点である。
第一の特徴は、グラウンドにいるすべてのプレーヤーが、何らかの形で常にプレーに関わり続け、動き続けていることである。一球ソフトボールでは一打席の球数が減り、打球が野手に飛ぶサイクルが短く、一試合の中でグラウンドにいるプレーヤー全員が動く時間の割合が相対的に高い。また、ランナーとして攻撃に関わるプレーヤー数も従来のソフトボールに比べて多い。第二の特徴は、試合時間が7回で一時間弱と短い点である。従来のソフトボールでは野手を中心に「待つ時間」が多いが、一球ベースボール・ソフトボールではその時間が少ない。
以上二点がプレーを通して感じた一球ベースボール・ソフトボールの特徴である。これらの特徴はオリンピック競技として野球・ソフトボールを検討するうえでの長所になるだろう。
加えて、商業的観点から見ても、一球ベースボール・ソフトボールは効果的である。試合時間が短いため間延びする可能性が低いからだ。さらに従来の野球・ソフトよりも点が入りやすいため試合の決着がつきやすく、延長戦などで試合時間ひいてはテレビなどでの試合中継時間が変動する可能性も低いからだ。このような性質はスポンサーにとってプラスになりうるため、オリンピック競技としての一球ベースボール・ソフトボールの価値を高める要素になるだろう。
近年のオリンピックでは従来の野球・ソフトボールは敬遠されている。しかし、一球ベースボール・ソフトボールなら従来の野球・ソフトボールが抱えるこれらの課題を解決できるのである。
男子部1年 I T
私は今回初めて一球ソフトボールをプレイした感想やプレイしてソフトボールに活かせることについて述べたいと思います。
まず投手としてプレイして感じたことが大きく三つありました。一つ目は球の変化量についてです。投手は一球しか猶予が与えられてないため、いかにストライクゾーンで変化球を変化させて打者を打ち取ることができるかが大切であると感じました。やはり変化球があまり変化せず甘い高さに投げてしまうと簡単に打たれてしまい先頭打者であったらランナーが満塁のため点数が多く入れられてしまいました。 二つ目は配球についてです。スコアリングポジションや点差と打順によって配球を変えることができます。ソフトボールでももちろんこの理論は同じですが一球ソフトボールは一球で打者やランナーと駆け引きしなければならないため、一味違った配球の奥深さがあると感じました。例えば先頭打者が三塁打を打った場合に走者はいっきに生還し一、二塁が空きます。すると次の打者にはボール球で勝負して歩かせてその次の打者と勝負することができます。他にもランナーの足の速さや相手と駆け引きできることが多いことに気づくことができました。 最後に自分の間で投げることが大切だと感じました。私はスピーディな試合を展開するために焦って投げていましたが、一球しか操れない状況で余裕がなく投げていては打者のペースになってしまい自分を自分で追い込んでしまいました。投球の間を作ることによって自分のペースで試合を運ぶことができ打者も投手に対応しにくくなります。
一方、これらに対して打者はバントの成功確率が低い選手が多いためヒッティングしてくることが多いことや、守備では野手のエラーが多く目立った今回のゲームからわかるようにいかにエラーを無くし確実にアウトを取れるかが大切であることも感じました。
次にこの感想を基に、一球ソフトボールをすることで投手・打者・守備の観点からプレイに活かせることについて述べたいと思います。まず投手としましては吉村先生がよくおっしゃる通りにストライクゾーンで球を動かし打者を抑える能力が養うことができ、球数を少なく打者を抑えることが容易になります。打者の観点から、一球ソフトボールでは投手が積極的にストライクを投げてくることがわかっているため、ストライクボールを強く振り切りヒットにできる能力を養うことができます。守備はランナーを背負った場面での守備位置が著しく変わるため、ケースバイケースでの瞬時の判断力がつきます。
最後に、明日から当たり前にソフトボールができないかもしれません。私はそんな中でプレイできるこの環境に感謝して一球一球を大切にしてその一球をプレイヤー全員が集中しているこの幸せな状況を噛み締めて日々大切に過ごしていきたいです。
男子部1年 H R
今回、一球ソフトボールを体験した率直な感想としては、非常に楽しかったです。普段のソフトボールと違い試合の展開が早く、次から次へとプレーが進んでいく感覚が新鮮で、非常に面白かったです。ストライクを投げてもボールを投げても一球でプレーが進んでいくので緊張感がありましたし、自ずと全員が一球に対して集中する環境が出来上がっているなと思いました。一球に対して集中していないと気づかないうちにプレーが進んでいってしまうので、プレーに対する集中力はかなり鍛えられると思いました。
投手はボール球が投げにくい状況で、どうしてもストライクゾーンの中で勝負をしなければいけません。その上で打者を抑えるためにはボールを動かす工夫をする必要があります。その工夫をすることでピッチングにさらなる磨きがかかり、投手の技術向上につながっていきます。対して打者は、ゾーンの中で動くボールを打たなければならないので、どうにかミートしようと努力する必要があります。投手が動かすボールを打つことで打力が上がり、良いバッターを抑えようとすることで投手の力も上がり、チーム内での相乗効果が生まれていくと思いました。
一球ソフトボールは展開が早いことから、考える時間や間がない競技だと思っていましたが、展開が早いからこそ、自分で作る必要があると感じました。例えば、打席に入る前や投球間のちょっとした時間、捕手が座ってサインを出すまでの時間などに、次はどんなプレーが起きるか、次のプレーで自分は何をするべきなのかを考えながらゲームに取り組む必要があります。普段より短い時間内で普段と同等以上の考えたプレーをしなければいけないので、集中力と同様に思考力も鍛えられると思いました。
今回、実際にプレーをした上で自分から提案させて頂きたいのが、ソフトボールのコンテンポラリーランナーのように、捕手が出塁をした際は代わりのランナーを置くというものです。通常のソフトボールでは2死からですが、一球ソフトボールではアウトカウント関係なしに交代することで準備の時間を作ることができ、円滑に試合が進むと思います。また、毎回0死満塁から始まるという競技特性から、1チーム13人以上の場合のみ、スターティングランナーという形で最初の満塁のランナーを固定してしまってもいいのではと思いました。これにより、ランナーに誰がつくのか等の確認が不要になりますし、スタメンで出られない選手が役割を得ることができます。さらには、スペシャルランナーという形で、毎回、どのタイミングでも代走として出場できる選手がいると面白いと思いました。攻守が苦手でも足が速ければこの選手になれますし、毎回代わる権利があるのでプレーヤーとして重要なポジションで輝くこともできます。選手同士で得意不得意を補うことも可能になるのではと思いました。
男子部1年 H K
吉村先生が仰っていたように全員が動くため、退屈する人が出ることがないいいスポーツだと思った。一球で終わるため集中力が切れることがないし長くないから飽きることもない。守っていた時に感じたことは、三振や浅いフライはとても助かる。ノーアウト満塁という場面でアウトを一つ簡単に取ることができるのはとても楽になる。一球ソフトボールを行って強いゴロを打つ大切さを改めて実感することができた。相手がやられて嫌なことを多くやることができたら大量得点が入る。頭を使うことが大切なゲームだと感じた。例えば、ツーストライクスタートなのにバントをしてきたらサードを守っている身からすればとても嫌だ。それをできるようになるには頭の良さと技術が必要になる。バントを一発で決めることができる人が増えていけば強いチームになっていくのではないだろうか。ピッチャーはスリーツーからのスタートでストライクゾーンに投げなければいけない中で、バッターはもう少し打たなければいけないと思う。バッターが有利な状況であるにもかかわらず意味のないフライや三振は勿体無いことであるからピッチャーをもっと苦しめることができるようにならないといけない
早いペースでやるため、途中で給水タイムが欲しい。時間を作ることで作戦会議兼休憩をすることができ、もっと頭を使ったプレーができるのではないだろうか。あと、満塁からスタートだと点が入りすぎてしまうから一、二塁からのスタートでいいのではないだろうか。点が入りすぎることで時間が長引いてしまうことがあるかもしれない。それか、回によってシチュエーションを変えることでプレーする人や見ている人を飽きさせることがないようにするのもいいかもしれない。先生を目指している立場でこのような経験ができて本当によかった。この経験をこの先で生かしていきたいと思うし、好きなベースボール型がなくならないように尽力していきたい。大切なことは野球はノーノーから始めなければいけないというような固定観念を取っ払って、頭を柔軟にして物事を考えることだ。一つのことに捉われず、色々なことにチャレンジしていきたい。